中学生は思春期に入り、心身ともに大きな変化を迎える時期です。
今まで楽しくやっていたことが急に辛くなることも珍しくありません。
塾に行きたくない理由はそれぞれですが、反抗期などで「行きたくない」と言っている場合や、何かトラブルが発生している場合には対処法があります。
一番注意が必要なのは、子ども自身も何がイヤなのか原因が分からず「行きたくない」場合です。
今回は、中学生の心理状態や親としての対処方法、特に注意が必要な場合の見分け方を詳しく解説します。
中学生が塾に行きたくない理由とは?
中学生が塾に行きたくない理由はさまざまです。
また、思春期ならではの心理的な要因も関わっていることが多いです。
知っておきたい中学生の心理
中学生は思春期に入り、心身ともに大きな変化を迎える時期です。
この時期は自分の意志を主張したい一方で、周囲の期待や求められることに対するプレッシャーが強まります。
そのため、塾に行くことが自分の自由を奪うものであると感じ、反発することがあります。
また、他者との比較や成績のプレッシャーも塾に行きたくない理由の一つです。
中学生が塾に行きたくないと言った時の心理
特に成績が思うように伸びない場合や、クラスメイトとの関係がうまくいかない場合、塾自体がストレスの原因となります。
また家庭でのサポート不足や期待過多も要因となります。
中学生の塾に行きたくない本音を探る
塾に行きたくない理由を聞いても、表面だけでは本当の気持ちを理解するのは難しいです。
表向きの理由は口実に過ぎず、実際にはもっと深いところに問題があることが多いです。
例えば、友達関係での悩みや先生との相性、一部の科目に対する苦手意識などが本音として隠れている場合があります。
子どもとの対話を通じて本音を引き出すことが重要です。
子どもの本音を知るためにはコーチングがとても有効です。
中学生が塾に行きたくないと泣く理由
中学生が塾に行きたくないと泣く場合、その背後には深刻なストレスや恐怖感が存在する可能性があります。
例えば、授業についていけない焦燥感や、成績不振によるプレッシャー、あるいは同級生や教師との人間関係のトラブルが原因となることがあります。
親としては、まず子どもの気持ちを受け入れ、無理に行かせるのではなく、しっかりと話を聞くことが大切です。
焦燥感やプレッシャーなどは、本人も気づかない場合もありますので特に注意が必要です。
中学生の塾に行きたくないエピソード
ここで実際にあった中学生のエピソードを紹介します。
部活との両立に悩むOくん
Oくんは部活と塾の両立が難しく、塾に行く時間がストレスの原因となっていました。
部活の仲間に置いて行かれることも大きなストレスになり、勉強にも身が入らず、どちらも中途半端な時期が続き成績も下がっていきました。
結局、塾の先生とも相談して受講時間を減らし、部活に打ち込める時間を優先させることにしました。
最終的には塾は最低限の枠だけ受講を続け、自分の都合に合わせて勉強ができる学習アプリを併用して利用することで落ち着きました。
受験はこれからですが、Oくん本人はストレスから解放され、部活に打ち込みながら勉強との両立をし、成績も上がってきているそうです。
先生との相性が悪いことを言えないNさん
Nさんは塾の先生との相性が悪く、授業中に必要以上に厳しく指導されることが原因で行きたくないと感じていました。
しかし、親に心配をかけたくない気持ちや、先生に余計に厳しくされることを怖れ、先生のことは言えずにいました。
状況はどんどん悪くなり、塾の日には朝から落ち込むことや体調がすぐれないこともあり、学校へも行けない日も出てきたのです。
最終的には親がじっくりと子どもと向き合い、子どもから理由を聞き出すことができ、塾をやめることになりました。
その後、先生との相性診断のある個別指導塾へ入塾し、無事に志望校へ合格できました。
原因不明な「行けない」に苦しむSくん
塾で何か問題があった訳ではなく、勉強が嫌いな訳でもありませんが、塾へ行こうとすると不安な気持ちになり行けなくなりました。。
頑張って「行こう」と準備をしても、玄関から出られないのです。
両親は、行きたくないなら行かなくていいし、行きたいなら行けばいいよと見守っていました。
しかし、それからも塾へ行ける日は少なく、両親と一緒に病院へ行くことにしました。
結局、精神的な不安やプレッシャーなどからくるものだということで、原因である塾はやめることになりました。
責任感の強いSくんは「行かなければならない」という存在から解放されゆっくり過ごすことで落ち着きました。
しばらくしてから、自宅で自分のペースで受講できる通信講座での学習を始め、驚くほど自宅学習時間が増えたと報告してくれました。
これらのエピソードから、個々の事情や感情が大きく影響していることがわかります。
中学生と塾の人間関係
中学生にとって、塾の人間関係も重要な要素です。
特に塾の先生や同級生との関係が中学生活に大きな影響を与えます。
塾内での人間関係が良好であれば学習意欲も高まりやすいですが、逆にトラブルがあると塾に行きたくないという気持ちが増します。
中学生と塾の先生との関係
塾の先生との関係は、中学生にとって非常に重要です。
先生が子ども達に理解を示し、親しみやすい存在であれば、生徒も安心して質問や相談ができるため、塾での学びが充実します。
反対に先生が厳しすぎたり、冷たい態度を取ったりすると、生徒は塾に対してネガティブな感情を持ちやすくなります。
子どもが塾の先生の話題を避けるような時は、何か問題がある可能性があります。
本人が話してくれない場合は、周りの友達や他の先生などに聞いてみることも必要です。
塾によっては、先生と関係が良くない場合に違うクラスへ移ることもできますが、クラス数が少ない塾などは変更が難しい場合もあります。
個別指導の塾では、事前に面談を通して先生との相性などを診断してから、決めるところも多くなってきています。
中学生同士の塾での関係
中学生同士の塾での関係も重要です。
友達が多く、みんなと仲良くできれば塾に行くことが楽しいと感じますが、逆にいじめやトラブルがある場合は塾に行くこと自体がストレスになります。
また、競争が激しい環境では、友達との成績の比較がプレッシャーとなり、行きたくない気持ちを強めることもあります。
子どもの性格にもよりますが、ライバルがいるとさらに頑張る子と、プレッシャーや不安に感じやる気をなくしてしまう子がいます。
塾に行くことで勉強のやる気をなくしてしまうことは避けなければなりません。
中学生の塾に行きたくない時の対処法
塾に行きたくないと言われた時、ただ叱るのではなく、まずは原因を一緒に探ることが大切です。
無理強いせず、子どもの意見や感情を理解し、その上で解決策を考えましょう。
場合によっては、他の学習方法や塾以外の選択肢を検討すること、さらに一時的に休息することも必要です。
中学生の塾嫌いを克服する方法
中学生の塾嫌いを克服するためには、まず子どもの気持ちを理解することが大切です。
話を聞き、何が苦手なのか、どこが嫌なのかを具体的に聞き出します。
子どもが挙げた具体的な理由の一つ一つを、どうしたらイヤではなくなるのか子どもと一緒に考えましょう。
また、苦手な科目を分かりやすく説明してくれる先生を探したり、楽しい学習方法を取り入れたりすることでも塾嫌いは解消されることがあります。
適度な休息を取り入れ、無理なく続けられるようにサポートすることが重要です。
中学生の塾ストレスに対する対処法
塾ストレスに対処するためには、その原因を特定することが必要です。
学業のプレッシャー、人間関係、体調などが原因となることが多いです。
ストレス発散のためのリラクゼーションや、趣味の時間を大切にすることが有効です。
塾ストレスに限ったことではありませんが、日々の勉強を続けるためにはストレスをためないことです。
定期的に親子で会話し、子どもの気持ちを理解することも重要です。
また、必要に応じて塾の変更やカウンセリングを検討することも良い方法です。
親ができる中学生の塾ストレス緩和法
親ができる中学生の塾ストレス緩和法として、子どもの話をよく聞くことが大切です。
無理に励ますのではなく、一緒に悩みを共有し、子どもの気持ちを全て受け止めることが大切です。
親が自分の気持ちを理解してくれるだけでも、子どものストレスは軽減します。
どんな内容であっても否定することは避けましょう。
塾の負担を軽減するためのスケジュール調整や、適度な休息を提供することも有効です。
また、必要なら塾の先生と相談し、指導方法の変更を依頼することも視野に入れましょう。
中学生の塾行きたくない時に気をつけること
中学生が塾に行きたくないと言った時、親としてはその言葉を無視せず、真摯に受け止めることが重要です。
無理に行かせるのではなく、まずは子どもの気持ちや状況を理解し、その上で最適な対応を考えることが求められます。
中学生の塾に行きたくない感情を受け止める
中学生が塾に行きたくないと感じるのは、教育や生活環境に何らかの問題があるからです。
親としては、その感情を否定せずに受け止める姿勢が大切です。
話をよく聞き、理解を示し、一緒に解決策を考えることで、子どもの気持ちが楽になることがあります。
感情に寄り添うことが、長期的に子どもの学びに対する態度を改善する助けとなります。
特に注意が必要な場合
一番気をつけるのは、子ども本人も原因が分からない場合です。
原因が分かれば、対処方法は必ずあります。
しかし、理由はないけど「行きたくない」と泣く場合には、心に大きなストレスや原因があります。
本人も気づいていない要因が苦しめている可能性があるのです。
そのまま無理に続けていると、塾だけではなく学校にも「行きたくない」となってしまうケースもあります。
子どもとしっかり話をし、それでも原因が分からない場合には、無理せず休息を取る決断も必要かもしれません。
中学生が塾に行きたくない時の間違った対処法
中学生が塾に行きたくないと言った時、「行きなさい!」と無理に行かせることはNGです。
さらに、理由を聞かないこともNGです。
子どもの意志を無視して無理に塾に行かせようとすると逆効果になりかねません。
親としては、まず子どもの気持ちをしっかりと受け入れ、どうすれば楽に学べるか、子どもと一緒に考える姿勢が重要です。
本来の目的は塾へ行くことではありません。
塾は、志望校合格や成績アップなどの目標のための手段に過ぎません。
無理強いせず、対話を通じて解決策を見つけましょう。
子どもに合った学習方法
何らかの原因が今通っている塾にある場合は、塾をやめる決断も必要です。
中学生は、これから先の学習習慣を身につける大切な時期です。
その大切な時期に勉強にネガティブなイメージがついてしまうと、この先も勉強することが苦痛になってしまいます。
現在は、塾だけでなくさまざまな学習方法があります。
その子に合った学習方法を探し、勉強をポジティブにとらえることは、この先も楽しく学習習慣を身につけることが可能です。
学習塾
学習塾は大きく分けて3つに分類されます。
集団塾
学校と同じように先生の授業を聞き、学習するところが多いです。
みんなと一緒に勉強することで、やる気が上がりモチベーションも上がる子に向いています。
自宅周辺の集団塾では、同じ中学校の友達も通っていることも多いので、友達に会えることも意欲につながる場合もあるでしょう。
個別指導塾
先生一人につき生徒一人の場合と、少数人数のグループで学習する場合があります。
分からないところを聞きながら進められるので、学習効率が上がります。
最近の個別指導では、一人一人学習計画を立ててくれるところもあるので、自分での学習方法が身についていない子にはおすすめです。
オンライン塾
現在、入塾者数が増えているのがオンライン塾です。
自宅にネット環境とパソコンやタブレット・スマホなどがあれば全国どこからでも受講が可能です。
通学時間の時間節約にもなりますし、送迎などの負担も減ることも選ばれる理由です。
「ビリギャル」のモデルとなった塾『坪田塾』のオンライン校が少し前に話題になりましたね。
家庭教師
家庭教師は、先生と生徒の一対一でしっかりと寄り添って勉強を教えてもらえます。
以前は自宅へ先生をお招きしてみてもらうことが基本でしたが、最近は自宅以外の学習室などに生徒が出向き指導を受けられるところも多くなっています。
個別指導塾と家庭教師が同じような役割を担ってきています。
オンライン家庭教師も多くあるので、自宅で気軽に受講も可能です。
多くのところで無料体験ができるので、必ず入会前に無料体験を受けてお子さんに合うかどうか確認をしましょう。
通信教育
自宅で自分のペースで学習を進められるのが通信教育です。
いつでも自分の都合で学習できるのがメリットですが、自分から学習する意欲がない子には不向きです。
内容は、それぞれの学校や教科書に沿ってカリキュラムが組まれるところが多いので、習慣にできればとても有効な学習方法です。
進研ゼミ・Z会・スマイルゼミが有名な3社ですが、他にも多くあるので、資料請求で自分に合ったところを探しましょう。
学習アプリ
通信教育と似ていますが、自身のスマホやタブレットにアプリをインストールして受講します。
映像授業を観ながら学習を進めていくものが多いのですが、こちらも自分の学習意欲がないと進めることができません。
有効に活用できる場合と、無駄になってしまう場合と見極めが必要です。
中学生の受講率が高いスタディサプリは、14日間の無料体験を利用できるので、その期間に合っているのかどうか確認が可能です。
テキスト教材
テキスト教材は、自分の勉強したいものを選んで学習することができます。
苦手なところや身につけたい力を伸ばすのに最適です。
しかし、自分自身で学習していかなければならないので、家庭学習の習慣があり勉強の仕方が分かっていなければ役に立たない場合もあります。
テキスト教材は、塾へ通いながら利用したり、学習アプリと併用したりと、他の学習方法と合わせて使う子が多いです。
まとめ
中学生は、思春期に入り心身ともに様々な変化のある時期です。
塾へ行きたくない理由は一人一人異なるので、子どもの話をしっかり聴き、理解する気持ちが大切です。
気持ちを理解し、一緒に解決方法を探しましょう。
特に注意が必要なのは、本人にも原因が分からない場合です。
様々なプレッシャーやストレスに、本人も気づかない内に精神的にダメージを受けている可能性があります。
その場合は、無理をせずにストレスの原因となるものから離れることも必要です。
成績を上げるための塾が、成績を下げる原因になっては元も子もありません。
成績を上げるためには、それぞれの子に合った学習方法を選んだり、一度休息期間を設けたりすることも考えましょう。
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