絵本は0歳~大人まで幅広い年代に読まれる本です。
それぞれの絵本に対象年齢はありますが、何歳まで読んでも全く問題ありません。
子どもの頃に読んでいた絵本を大人になって読むと、また違った感じ方や込められた想いを受け取ることができます。
今回は、長く愛されている魅力的な絵本を紹介します。
絵本の読み聞かせについてはこちらで紹介しています。
絵本の試し読みができる絵本ナビでお気に入りの絵本を探すのもおすすめです。
『きみはほんとうにステキだね』
いつも1人で乱暴者のティラノサウルス。
よわいものを怖がらせ、乱暴ばかりしているから・・だれもティラノサウルスに寄ってきません。
やさしくしてくれる子もいません。
そんなティラノサウルスが傷を負った時に助けてくれたはじめての友だち。
はじめて「ありがとう」と言った時、どんな気持ちになったのか・・やさしくされると不思議とやさしさの連鎖が生まれる。
しかし、友だちが強い恐竜におそわれ・・
宮西達也先生のティラノサウルスシリーズを読んだことがある方も多いと思います。
私も大好きで、ティラノサウルスシリーズは何度も読み返します。
そのなかでも私も子どもも一番大好きな1冊です。
宮西先生の絵本からは子どもに知ってほしい人の気持ちや心を分かりやすく伝えてくれます。
宮西先生のティラノサウルスシリーズは、どの絵本もやさしい感動するお話ばかりなので、読み聞かせにもとってもおすすめです!
『どうぞのいす』
ウサギさんが作ったちいさな「いす」。
やさしい気持ちで「どうぞのいす」と書いたたてふだも一緒におきます。
すると・・ロバさんがやってきて、「どうぞのいす」ににもつを置いてお昼寝してしまいます。
そこへクマさんがやってきて・・「どうぞのいす」に気が付きます。
「どうぞ」ということなら遠慮なくと・・。
そのあとも次々に動物たちがやってきて・・
柿本幸造先生のかわいい動物たちの絵もとってもやさしさが溢れています。
そして動物たちみんなのやさしい思いが最後にあっとおどろく結末になり、心がほんわかします。
わが家のこども達は早く続きを読みたいと、ワクワクしながらページをめくっていました。
『なんだってしてあげるよ』
*こちらは現在在庫切れで販売はされていません。(2024.1月現在)
図書館などで見かけたらぜひ読んでみてください。
くまのジンジャーのお手伝いを一生懸命してくれるちびくまチャーリー。
とてもかわいいチャーリーだけど、チャーリーが手伝うほどジンジャーの仕事は増えてしまいます。
それはまるで、幼い子どもが「ママ手伝うよ!」とキッチンをぐちゃぐちゃにしちゃったり・・床掃除で床をびしょびしょにしてしまったりする様子。
本当は大好きなジンジャーのためにがんばっているのに・・。
そこでジンジャーはいいことを思い付き・・
ジンジャーのためになんでもしてくれるチャーリーと、そんなチャーリーの気持ちをやさしく包み込むように受け取るジンジャーの心あたたまるストーリーです。
2人のやりとりがテンポよくかわいく描かれていて・・あたたかい気持ちになります。
『くまのこうちょうせんせい』
「くまのこうちょうせんせい」は、
神奈川県に実在する小学校の校長先生のお話しを元に作られた絵本です。
大きな声であいさつすることが怖くてできないヒツジくん。
毎朝元気な声で「おはよう!」と出迎えてくれるクマの校長先生。
なんとか大きな声であいさつしたいヒツジくんですが、校長先生は決して責めたり怒ったりしません。
ある時、校長先生が病気になってしまいます。
病気になった校長先生は、以前のように大きな声が出せなくなってしまいます。
その時、ヒツジくんは何を思い・・クマの校長先生は何を感じたのでしょうか・・。
絵本の世界のお話しのようですが、実際にこんなにステキな校長先生がいらっしゃったことにさらに感動させられます。
『おかあさんだいすきだよ』
この絵本は、おかあさんにぜひ読んでほしい絵本です。
「おかあさん、ぼくね・・」と男の子の語り口調で進んでいくお話です。
どろだらけで帰ってきた男の子に、つい怒ってしまうおかあさん。
ゲームばかりしていると、つい怒ってしまうおかあさん。
おかあさんはいつも「早くしなさい!」「何回言えばわかるの!」と口にしてしまいます。
でもね・・
とってもかわいらしく、とっても考えさせられ、とっても愛おしいです。
すべてがあてはまるわけではありませんが、おかあさんなら納得できたり反省したり・・。
最後のおかあさんの語りには、すべてのあかあさんが共感できるとてもすてきな絵本です。
そして、読み終わった時には子どもを思いっきり抱きしめたくなります。
夜の寝かしつけの時によく息子に読んだことを憶えています。
『ちょっとだけ』
なっちゃんのお家に赤ちゃんが産まれ、なっちゃんはお姉ちゃんになります。
なっちゃんはお姉ちゃんなので、一人でなんでもできるようにがんばります。
髪の毛も自分で結びます。
飲み物も自分で入れて飲みます。
ちょと失敗することもあるけどお姉ちゃんだから大丈夫!
でも・・やっぱり・・
赤ちゃんが産まれた時、上の子はちょっとだけ大人になり、でもちょっとだけ寂しい気持ちにもなります。
その両方の気持ちがうまく表現されていて、けなげななっちゃんに涙が溢れます。
娘が2歳の頃に未就園児クラスで、各自おすすめの絵本を持ちよる企画があったのですが、下の子が産まれたご家庭が多かったので、私は「ちょっとだけ」を読みました。
みなさん感動してくださり、一人っ子のママまで泣いていました。
その後、未就園児クラスのお部屋に「ちょっとだけ」が追加されていました!
多くの感動をよぶ本なのだなぁとあらためて感じたエピソードです。
『にゃーご』
子ねずみたちは先生から教わります。
「これがネコです。このかおをみたら、すぐににげなさい。」
しかし大切な先生のお話を聞いていない3匹の子ねずみ達。
そんな3匹の子ねずみの前に「にゃーご」とおおきなネコが現れます。
先生の話を聞いていなかった3匹の子ねずみ達は「このおじさん誰?」「おおきな声でびっくりしたね」と逃げません。
そして・・子ねずみを食べたいネコと、そうとは知らずに無邪気な子ねずみ達は、一緒にモモを食べに行くことになります。
絵のかわいさと、ネコと子ねずみのやり取りで、
とてもほっこり幸せな気持ちになります。
『ないたあかおに』
人間と友だちになりたいやさしい赤おに。
しかし、人間はおにをこわがって仲良くなれません。
友だちの青おにくんに相談すると、赤おにが人間と仲良くなれる作戦をたてます。
青おにくんのおかげで人間と仲良くなれた赤おですが・・
1933年に書かれた作品です。
もう何十年と読み継がれたお話で、みなさん何度も耳にしたことがあると思います。
私も小学生の頃に劇をみたことがありました。
その時に、あおおにくんがかわいそうでとても悲しくなったことを憶えています。
大人になってから懐かしく思い絵本を読んだ時、やはりまた心に突き刺さりました。
悲しさよりも青おにくんの底なしのやさしさが心に沁み・・切なくもあり、私もそんな風に誰かの為にできるのだろうか・・と真剣に考えさせられました。
『せかいでいちばんつよい国』
私がこの記事を書くのに、絵本を山積みにしてます(笑)。
その中でこの絵本を見つけた息子が、
「この本は小学校の図書館お薦めの絵本だよー」と言っていました。
おおきな国の人びとは、自分たちのくらしが一番すてきだと思っています。
おおきな国にはたくさんの兵隊がいます。
大統領は、ほかの国も征服すればみんな同じようにすてきな暮らしができると思い、世界中に戦争にいきました。
他の国はがんばって戦いますが、最後には負けて征服されていきます。
最後にたったひとつだけ、征服されていないちいさな国が残りました。
おおきな国の大統領と兵隊たちは、最後のちいさな国へ行きます。
そこで待ち受けていた運命とは・・
大人には考えさせられる結末ですが、それが難しい描き方をしていないので、子どもたちにも伝えたいことがやんわりとしっかり伝わる絵本です。
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
2012年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議の中で、ウルグアイのムヒカ大統領が語ったとても素晴らしい演説を、子どもたちにも分かるように作られた絵本です。
世界中から集まった各国の代表者が、環境の悪化した地球の未来について意見を出し合います。
ムヒカ大統領の順番になりましたが、ちいさな国の大統領の話に誰も期待していません。
そんな中スピーチをはじめるムヒカ大統領。
まずは環境問題に真剣に議論し合う各国の代表者に感謝と敬意を表します。
そして、本当に自分たちが議論すべきことは何かを語り始めます。
会場は静まり、ムヒカ大統領のスピーチに耳を傾けます。
演説が終わったとき、会場中におおきな拍手が起こります。
当時ニュースにもなりご存じの方も多いと思いますが、難しい表現を子どもでも分かるように書いてくださっているので、小学生くらいの子であれば十分理解のできる内容になっています。
読むたびにムヒカ大統領の偉大さに感動し、
本当に大切なものは何かを考えさせられる作品です。
忘れたころにまた開きたくなる絵本です。
絵本ではありませんが、もう少しくわしく書かれている本です。
小学校4年生の時に娘が読んで、深く考えていました。
『100万回生きたねこ』
こちらも、よく耳にする名作ですよね。
りっぱなとらねこが100万回もしんで100万回生きたお話です。
100万人の人がりっぱなとらねこを愛し、かわいがりました。
時には王様、時にはどろぼう、時にはひとりぼっちのおばあさん・・・。
みんなりっぱなとらねこが大好きでしたが、とらねこはだれも好きではありませんでした。
そんなとらねこが出会ったのは・・
最後には100万回もしんで100万回も生きた理由が分かります。
そしてとても幸せな気持ちになります。
何度読んでも抱きしめたくなる絵本です。
『おおきなおおきな木』
おおきなおおきな木にはおおきな穴があいています。
そこでいろいろな動物たちが昼寝をして・・不思議な夢をみます。
夢から覚めた時、みんな大切な何かに気付きます。
自分の行き先を見失った旅人もその中で眠ります。
その先にあるものはなんだったのか・・
おじいさんになったおおきな木はその先どうなるのか・・
何かに迷っている人や目的を見失った人には読んでもらいたい純粋な本です。
私もこんなおおきな木があったらいいなと思う時があります。
絵本の効果
子どもへの効果
まず、絵本が子どもに効果があることは、様々な研究から実証されています。
平成25年の文部科学省の調査でも、小さいころに読み聞かせをしていた家庭の子どもは学力が高い傾向にあるという研究結果が出ています。
子どもに限らず、ものごとを覚えていくときには「見る」「聞く」「触る」といった多方向から脳に情報が入ると覚えやすいといいます。
大人への効果
大人が絵本を読むことで、自然とゆったりとした気持ちになるのでリラックス効果があります。
普段は活字が多い本や文書・新聞などに目を通している方には特におすすめです。
ストーリー性のある絵本は心が洗われ、ストレスの軽減にもつながります。
そして、子どもの頃に読んでいた絵本を大人になってから読むと全く違った感動を得られます。
これは大人だけではなく中学生や高校生も同様に、小さなころに読んでいた絵本から違った学びを得ることができます。
まとめ
絵本の魅力は、それぞれ読む人によって違います。
今回は感動するお話しの絵本を12冊紹介しました。
一番の魅力は、辛い時やストレスを感じる時に、ホッとして優しい気持ちになれるものだと思います。
どの絵本も素敵な絵と添えられた文章が人の心にあたためてくれます。
絵本が子どもに与える効果はこちらでくわしく紹介しています。
私は子どもの頃よりも大人になってから絵本の魅力に深くはまり、ヒマがあれば本屋さんの絵本売り場に通っていました。
たくさん集めたお気に入りの絵本は今でも時々読み返し、何度も読んでいるのに何度も感動しています。
お子さんに絵本を読み聞かせながら、ママやパパにも絵本を大好きになってもらえたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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