せっかく質問しても、子どもの本心が分からなかったり、考えずに返答されたりするとモヤモヤしますよね。
これらの悩みには、子どもへの質問の仕方に原因があるかもしれません。
×「なんで○○したの?(しなかったの?)」→ 〇「何があったの?」
ほんの少し聞き方を変えるだけで、子どもの返答が変わってきます。
では実際にどんな質問をしたら、子どもの考える力を引き出せるのか、実際の声かけなども解説していきます。
自分で考える力(思考力)を引き出す質問とは?
子どもが質問に答えるためには、自分で考えなければなりません。
しかし面倒くさかったり、他のことに熱中していたり・・適当に答えられることもありますよね。
わが家でも、面倒な時は「忘れたー」とか「知らない」と答えられることが多かったです。
「分からない」が多いこともありました。
これらは、質問の仕方に問題がありました。
大切なのは、子どもが「考えたい質問」や「考えやすい質問」をすることです。
実際にどのような質問の仕方で効果があるのか紹介します。
【実践例】特に大切な3つの質問
子どもの考える力を引き出すために大切な質問3つを実例を交えて紹介します。
「何があったの?」
NG例
友達とケンカしたから帰ってきた。
えっ!なんで?
だって・・〇〇くんが(言い訳)
「なんで」と聞くと、「だって」(言い訳)が出てきます。
親に責めてる気持ちはなくても、子どもは自分が責められていると感じるからです。
責められていると感じると、少しでも怒られないように言い訳を探します。
「なんで」の代わりに「何があったの?」を使うことで、子どもは事実を伝えるだけなので答えやすくなります。
OK例
今日、友達とケンカしちゃった
ケンカしちゃったのね。何があったの?
最初はふざけて遊んでたんだけど、だんだんケンカになっちゃって・・。
イヤになったから先に帰ってきちゃった。
そう。楽しく遊んでたのがケンカになっちゃったのね。
それで先に帰ってきちゃったのね。
うん・・。でも僕も悪かったかもしれないから、明日謝ろうかな・・。
事実を伝えることで、子ども本人も冷静に何があったのか整理することができます。
そして、親も事実に対して復唱して受け止めると、子どもは客観的に事実を考えることができます。
もし、子どもの担任の先生から「お友達とトラブルがありました」と伝えられた時、「なんでですか?」とは聞かないですよね。
「何があったんですか?」などと聞きませんか?
子どもに質問する時も同じように、対等な立場で相手の話に耳を傾ける気持ちが大切です。
「どうすればいいと思う?何が必要かな?」
NG例
今日、学校に宿題持っていくの忘れた
どうして前の日に準備しなかったの!?
・・・。
こんな会話ありませんか?
この会話だと、子どもはまたママに怒られたと思うだけです。
しかし、この状況は子どもが成長する大切なチャンスです!
ここでの質問の仕方で、次は忘れない方法を自分で考えて見つけるチャンスなのです。
OK例
今日、学校に宿題を持って行くの忘れた
宿題忘れちゃったんだね。何があったの?
昨日、宿題を塾でやったから、そのまましまうのを忘れちゃった。
しまうのを忘れちゃったんだね。次はどうすればいいと思う?
うーん、塾から帰ったらすぐにしまうようにする!
このように建設的に質問をすることで、子どもが自分で考えて答えを出します。
人から「塾が終わったらすぐにしまいなさい」と言われるのと、自分で考えて答えを出すのでは、その後の本人の行動が全く違ってきます。
この会話で、子どもは自分で考えて行動することができるのです。
そして、次に実際にこの行動ができた時はほめてあげてください。
ほめられると自信に繋がり、その後も継続してできるようになります。
「その時、どんな気持ちだった?」
NG例
今日のテスト30点だった。
え?どこを間違えたの?勉強したの?
もう、別にいいよ!
思わずこんな風に口を出てしまうこともありますよね。
子どもは、がんばった結果が現れなくて落ち込んでいる場合もあります。
そんな時に責められるようなことを言われると、やる気も話をする気持ちもなくなってしまいます。
さらに、今後の良くない点数のテストを見せずに処分してしまう可能性もあります。
OK例
今日のテスト30点だった。
そっか、30点だったんだね。どんな気持ちだった?
思ったより低かったかな。
思ったより低かったんだね。それは悔しかったね。
次のテストはどうしたい?
もっといい点数とりたい!
子どもの本音を聞き出すには、安心して話せる状況をつくることが大切です。
怒ったり責めたりすると、子どもは話すことをあきらめてしまうのです。
質問の他に大切なこと
まずは聴くこと
子どもに質問することは、子どもが自ら考えるための大切な行動です。
しかし、子どもとの信頼関係が築けていないと、子どもは本心を話してくれませんし、話しても無駄だと思ってしまう可能性もあります。
まずは、「何を話しても受け止めるよ!」ということが子どもに伝わらないとなりません。
そのためには、子どもが質問に答えたことを否定をしないことが大切です。
下記ような場合も否定になります。
子どもが質問に答えた時 → ×「ママはこっちの方がいいと思う」
子どもが質問に否定的な答えをした時 → ×「そんなことないよ。あなたならできるよ」
親が思っていた答えと違っても、ひとまず受け止めることが大切です。
もし、違う意見を伝えたい場合は、一度受け止めてから伝えましょう。
子どもの話をそのまま受け止めることを「傾聴」と言います。
「質問」と「傾聴」の両方を実践することで、子どもは自分で考え、色々なことにチャレンジするようになります。
「傾聴」のスキルについてはこちらを参考にしてください。
オープンクエスチョンを心掛ける
質問には、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンがあります。
クローズドクエスチョンでは、相手は「うん」だけで返答ができてしまいますね。
普段から「はい」「いいえ」では答えられない質問をたくさんすることで、子どもの考える習慣が身につきます。
そして親子のコミュニケーションにもなり楽しく会話ができます。
まとめ
今回は子育てコーチングスキル「質問」について紹介しました。
質問は普段の生活の中で、数えきれないほどのパターンがあります。
今回は様々な場面で使えるものを3つ取り上げました。
質問の仕方を変えるだけで、子どもの返答に驚きます!
スキルを完璧に使うことより、子どもに寄り添って気持ちを受け止めてあげることが大切です。
どんなに完璧なスキルがあっても、子どもの話を聞きたい!という気持ちがなければ、子どもは心から安心して話すことはできません。
他の2つのスキルも合わせて使うことで、さらに子どもの考える力が身につきます。
コメント